鳥へのこだわり
料理の用途や時期に応じて、大将みずから鶏・鴨を吟味。捌いた鶏はすぐには使用せず、独自の技法で熟成させ、旨味を凝縮させています。熟成させた鶏は、雑味が入らないように骨を取り、水炊きではあえて大ぶりに切ってご提供しています。かぶりついてお召し上がりいただくことで、柔らかくも弾力のある肉質、こぼれんばかりに溢れ出す旨味を存分にご堪能いただけます。鴨すきや鴨なんばでは、ロースではなく、あえてモモ肉を使用。口に広がる上質な脂と食感は、鴨肉の概念を覆します。
スープへのこだわり
ご来店いただいたお客様に、必ず提供しているスープ。水炊きに使用している、八起庵の味の要です。
昆布から丁寧に取った出汁に鳥スープを調合し、鶏骨が煮崩れるまで、弱火で長時間じっくりと炊いています。コクがありながらもあっさりとしたやさしい味は、水炊きにすると食材に染み込み、味を格別に引き立てます。さらにスープの真価が発揮されるのが、〆の雑炊。「雑炊を食べに来た」と言ってくださるお客様も多い最高の逸品です。七変化するスープの味は、当店の醍醐味のひとつです。
食材へのこだわり
野菜から薬味まで、京都の地のものをふんだんに使用しています。
その中でも、厳選した九条ねぎは、スープを吸うと甘味が増し、煮込んでもネギ本来の歯ごたえが味わえます。
爽快な香りと、しびれをもたらす京山椒。黒七味は、料理の美味しさを絶妙に引き立てます。自家製のぽん酢は、試行錯誤を繰り返し、柑橘類を贅沢に調合しています。数か月間ねかして、酸味の角が取れて丸みに変わるまで熟成させています。通常のぽん酢は食材やスープの水気で薄まりがちですが、一度お皿に張れば最後まで同じポン酢で旨味を増していくのが特長です。
おもてなしへのこだわり
お料理以外でも、どうしたらお客様により満足いただけるかを常に考え、その想いを形に現しています。
例えば、鍋は伝統的な「南部鉄器」を採用。鉄分が摂れるとも言われる南部鉄器は、温度にムラが出にくく冷めにくいため、安定したお鍋の味を楽しんでいただけます。
お食事の席では、お鍋の調理から取り分けまで、すべてスタッフが心を込めて行います。日常を忘れて、八起庵での贅沢なひとときをご満喫していただけるように、やわらかく細やかな京都ならではのおもてなしを尽くします。